ナイフの研ぎ方をマスターしよう！おすすめの砥石も紹介！

キャンプでの料理や作業時に欠かせないナイフ。使うほどにどうしても性能は下がり、切れ味が悪くなってしまいます。ナイフの切れ味をキープするためにはメンテナンスが欠かせません。しかし「ナイフを研ぐのは難易度が高そう」とお手入れせずに使用している方も少なくありません。

実は切れないナイフでの作業は怪我をする可能性が高まり非常に危険なんです。切れ味が悪いと必要以上の力をかけるため、手元が狂いやすくなります。その結果思わぬ方向にナイフが滑り、怪我につながってしまうんです。安全のためにもナイフにはこまめなメンテナンスが必須になります。

そこで今回は初心者でも簡単にできるナイフの研ぎ方をお伝えします。研ぎ方のコツやポイント・おすすめの砥石・手軽に研げるシャープナーも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

• 砥石
• 布巾・タオル(滑り防止)
• 砥石が入る容器(バット・バケツ等)

吸水性の砥石は使用前に10～30分程度バケツ等に張った水に浸しておく必要があります。浸す目安は「気泡が出なくなるまで」。研いでいる最中に砥石が滑ると危険なので、砥石の下に滑り止めとして濡らして絞った布巾を敷きましょう。ただし研ぎ台があれば不要です。

また砥石には事前の吸水作業が不要な不吸水タイプやオイルストーンもあります。不吸水タイプは乾かないようこまめに水をかけながら研ぐタイプです。オイルストーンには水の代わりに専用の油を使用します。

キャンプでも使用するナイフの形状は以下の4種に分けられます。

• コンベックス(ハマグリ)
• フラット
• スカンジ
• ホロウ

フラットは刃先が長く平らなため1番研ぎやすい型です。スカンジとホロウは刃先は平らですが、研ぐ範囲が狭いため角度の調整に多少のコツがいります。1番難しいのは刃先が丸みを帯びているコンベックス(ハマグリ)型です。

刃先のカーブをキープするためには少しずつ角度を調整しながら研ぐ必要があります。慣れないうちは番手の数字が大きい砥石の使用がおすすめです。

ナイフの素材によっても最適な砥石が異なります。自分が使っているナイフの素材に合う砥石を選びましょう。

• ステンレス：#1000前後の中砥石
• 鋼：#500前後の硬く粗めな砥石(仕上げは中砥石)
• チタン：#1200～3000程度の中砥石～仕上げ砥石

ステンレスははぼすべての砥石で研げます。研ぎやすさを求めるなら、やわらかい素材の砥石がおすすめです。鋼は硬いためセラミック系の硬い砥石と相性がよくなっています。チタンはやわらかいため、刃が反り返りやすい機械の使用は避けましょう。

番手とは紙ヤスリのように粒度(粗さ)を表す数字です。数字が小さいほど荒く、大きいほどきめ細かくなります。番手の違いで呼び方も3通りに分けられ、使う目的によって適した砥石が異なります。

• #80～400「荒砥石」：大きな刃こぼれを修理
• #600～2000「中砥石」：日々の研ぎ直しに最適
• #3000～6000「仕上げ砥石」：中砥石で研いだ後さらに切れ味を高める

キャンプなどのアウトドアに使用するナイフは中砥石だけでも問題ありません。ただし刃が欠けた場合には荒砥石のほうが楽に研げます。初心者には裏表の幡手が異なる両面砥石もおすすめです。

ナイフを研ぐ際の重要なポイントは砥石に刃を当てる角度です。最適な角度で研がないとナイフの刃の形状が変わってしまいます。また研いでいる最中に角度が変わるとうまく研げません。主なナイフは刃先の角度が20～25度前後なので、砥石に対し10～12度前後で当てる必要があります。

数字にするとわかりづらいため、刃先を見ながら感覚で合わせましょう。初心者にも以下の3ステップが角度調整しやすくおすすめです。

1. 砥石の上にナイフを寝かせる
2. ナイフの先端を支点にして少しづつ立てる
3. ナイフの研ぐ範囲が砥石にピッタリついた角度で固定

ナイフを研ぐ際、「押して研ぐ」のか「引いて研ぐ」のか悩む方が多くなっています。また力を入れるタイミングや、どの程度の力加減で行うべきかも難しいですよね。実はナイフを研ぐ際は押し引きどちらの方向にも力は加えすぎないようにします。

力を入れすぎると角度が変わりやすくなり、うまく研げなくなります。力加減は腕の重さを加えて撫でる程度で十分です。また刃を動かす方向で力の加減を調整する必要もありません。

1. ナイフの研ぐ箇所にマーカーなどで印を付ける
2. 砥石にナイフをセットし角度を調整する
3. 研ぎたい刃の部分に指を添える
4. 砥石全体を使うように大きく研ぐ
5. 慣れるまでは数えながら両面同じ回数研ぐ
6. バリ(反り返り)がないか刃先をなぞって確かめる
7. 研ぎ終わったらナイフを乾かす
8. 完全に乾いた後仕上げにオイルを塗る

ナイフを研ぎ慣れていない方は研ぐ場所に印をつけておくと、研ぎ残しがなくきれいな仕上がりになります。また砥石も消耗するため同じ場所ばかり往復しないように気をつけましょう。途中砥石が乾燥してきたらその都度水をします。

水を加える際は黒い研汁を流さないようにしましょう。仕上げのオイルにはナイフ用の代わりに「オリーブオイル」も使用できます。

初心者の方は初めから高い砥石を購入する必要はありません。慣れるためにも手頃で扱いやすい砥石から始めましょう。特に初心者の方におすすめなのが「シャプトン（Shapton）刃の黒幕」シリーズです。

不吸水タイプにより事前の吸水作業が不要です。また研磨剤の含有率が高いためナイフを研ぐ時間も短縮できます。幡手の豊富さも魅力で#120～#30000まで展開されています。どのナイフとも相性がいいセラミック製。ナイフを複数持っている方にもおすすめです。

他にも使いやすい砥石をいくつかピックアップしたので参考にしてみてください。

日常的なお手入れであれば手軽に使用できるシャープナーもおすすめです。一般的に荒砥・中研・仕上げ研と3種の砥石が付いているため、粗い方から順番にスライドするだけで切れ味が戻ります。使用方法はシャープナーに対し垂直にナイフを当て、手前に数回引くだけです。

ただし砥石と違い一時的なものなので、頻繁に使用するのは避けましょう。シャープナー単体で使用すると刃先の強度が落ち、刃先が欠ける原因になります。シャープナー使用後も錆防止のオイル仕上げは必須です。

キャンプの薪割りから料理シーンまで活躍するナイフ。怪我を防ぐためにも日ごろのお手入れが欠かせません。砥石さえあればいつでも切れ味を回復させられるので、買い換えるよりお得です。ナイフ研ぎをマスターして、自分だけのナイフを手に入れましょう。