ペグは長さ・素材で使い分けよう！使用目的別に詳しく解説！

テントやタープを固定するペグはキャンプの必須アイテムです。テントやタープを購入すると、多くはペグが付属しているため、これだけで十分と思っていませんか？実はペグには長さなら20cm・30cm・40cm以上、種類も鍛造ペグ・チタンペグ・サンドペグなどさまざまなものがあります。

ペグの長さと種類によって特徴が異なるため、ソロキャンプ・ファミリーキャンプなどの目的によって使い分けが必要です。これを誤ると、固定したはずのペグが外れてしまい、風でテントやタープが飛ばされる恐れがあります。

そこでこの記事では、ペグの長さ・素材による特徴の違いを紹介します。使用目的別にどのペグがおすすめなのか、初心者でも使い分けられるように解説しますので、参考にしてください。

ペグは長いほど地面に深く刺さって風に対する抵抗力が高く、短いほど軽くなります。最も短いタイプである20cmのペグは、軽くて持ち運びやすい一方で強さは足りず、風の強いときや柔らかい地面などには不向きです。

小型で風の影響をあまり受けないテントを使うソロキャンプやツーリングであれば、20cmのペグでも十分です。持ち運びやすいのも大きなメリットになります。かさばらないため、スペア用として荷物に入れておくのも有効な使い道です。

30cmのペグは20cmより重量が増す分強さもあります。一般的なテントであれば問題なく機能し、芝生サイト・砂利混じりの地面・湿って柔らかい地面など、いろいろな場面でオールマイティーに使えます。

平均的で使いやすいため、ペグの中で最も多く使われているタイプです。少人数のファミリーキャンプなどに向いています。ただし、構造上風の影響を受けやすい、タープや大型のテントの場合は少々不安です。

地面にしっかりと深く刺さるため、風に対する抵抗力は強いです。大きなタープを張るときや風が非常に強いときは、40cm以上のペグを使いましょう。強さの足りないペグを使っていると、タープ・テントが風で飛ばされて大変な思いをするばかりか、周りのキャンパーにも迷惑をかけてしまうからです。

40cm以上のペグは風に強い分、重量も増します。ただ、大きなタープやテントを使うようなキャンプなら人数も多く、荷物を手分けして持ち運べるのであまり問題ありません。

ピンペグはヘッドがフック状になったペグです。テントやタープの付属品になっている場合もよくあります。シンプルな形なので扱いやすくて収納もコンパクトです。比較的安く手に入るため、大量購入もできます。

素材は軽いアルミが一般的です。アルミ製のペグは軽いものの強度は低めで、固い地面に使うと曲がってしまいやすいため向きません。耐久度の足りないものも多いので、テントに付属のピンペグだけで済ませようとは考えない方が無難です。

ネイルペグはヘッドが平らで、釘のような形のペグです。ヘッドがフック状のピンペグと比べて、ハンマーで叩いたときに力が伝わりやすく、地面に差し込みやすいです。素材はスチール製が多く、頑丈で幅広く使えます。

ヘッド部分はプラスチック製が一般的です。ハンマーで叩くときに打ちどころを誤ると壊れてしまうため、気を付けましょう。中にはヘッド部分が蓄光して夜に光るタイプのネイルペグもあります。

「鍛造」とは金属に圧力を加えて強度を高める加工をいいます。この加工がされた鍛造ペグはどんな地面にも差し込めて、テントやタープをがっちり固定できる抜群の強さが特徴です。耐久性もあるので長く使い続けられます。

デメリットは重さと値段の高さです。初めて鍛造ペグを使うなら、テントの四隅の固定だけに使うなど、本数を限定しておくのがおすすめです。また、固い地面にも刺さる反面、砂浜など柔らかい地面では抜けやすいため向きません。

Y字・V字ペグは断面がY字またはV字の形をしたペグです。棒状のペグよりも表面積が大きく、抜けにくい構造をしています。V字ペグは軽いアルミ製が多く、ペグ同士を重ねられるため持ち運びに便利です。

Y字ペグは重ねられないものの、形状的にV字より強度が増します。Y字・V字のいずれも地面から抜いたときに溝に土が詰まりやすく、手入れに少々手間がかかるのがデメリットです。

チタンペグは近年注目されてきている種類のペグです。鉄の2倍の強度を持つ金属であるチタンを使い、鍛造ペグにも劣らない強さがあります。加えて軽さと錆びにくさも兼ね備え、質の高さは圧倒的です。

それだけに値段の高さも圧倒的です。チタンはそれ自体の高級さに加え、加工のしにくい金属でもあるため、チタンペグはどうしても高価にならざるを得ません。ただ、耐久性も高いので、長く使い続けるならおすすめできます。

プラスチック製のペグは砂浜や雪上などの柔らかい地面で最も活躍するペグです。表面積が広い構造で、摩擦により地面から抜けにくい特徴があります。あまり強度はないため、差し込む際には金属ではなくプラスチックのハンマーを使いましょう。

安価で軽量なので、大雨で地面が緩んだ場合に備えて持っておくといいです。金属のペグと比べてカラフルなものが多く、おしゃれキャンパーなら色にこだわって選ぶのも楽しいかもしれません。

ワンポールテントはメインポール1本で支えるタイプのテントで、見た目のかわいらしさと組み立ての簡単さから初心者に人気です。ペグで固定されたテント生地が、全方向から1本のポールに力を加える構造のため、ペグでの固定が重要となります。

したがって、テント生地の固定には30cmまたは40cmの長めのペグを使いましょう。素材も固定する力の強い鍛造ペグやスチール製ペグが適しています。

2ルームテントは寝室とリビングの2種類のスペースがあるテントです。リビングスペースをタープ代わりに使える・フルクローズにすれば雨風をしのげるなどのメリットがあり、ファミリーキャンプで人気があります。

2種類のスペースがある分、大きめサイズのテントが多いので、30cmまたは40cmの長めのペグを使う必要があります。素材は通常の場所なら鍛造ペグやスチール製・砂浜ならプラスチックなど、行き先によって使い分けましょう。

固い地面もしくは石や砂利が多い地面では、長いペグはかえって不向きです。ペグが長いほど、固い地面に差し込むのが非常に困難となるためです。したがって、ペグの長さは20cmをおすすめします。

種類は鍛造ペグが最適です。鍛造ペグはもともとアルピニストが岩や氷に打ち込むために開発されたもので、固い地面でもしっかり貫通します。それ以外の生半可な素材では、ペグが曲がって使い物にならなくなります。

逆に雨で湿った土・砂浜・雪上など地面が柔らかい場所では、鍛造ペグは不向きです。細くて硬いペグは柔らかい地面との摩擦が起きず、すっぽりと抜けてしまいます。このため、表面積が広いプラペグやアルミ・スチール製のY字・V字ペグが適切です。

長さは抜けにくいよう、30cm以上を選びましょう。短いペグでは柔らかい地面の表層にしか刺さらず、固定が不十分となるためです。

芝生サイトは柔らかすぎず固すぎない地面が多いため、もっとも一般的な長さである30cmのペグが向いています。テントが小さければ20cmでも十分です。ただし、梅雨など雨の多い時期や強い風が予想される場合などは40cmのペグを用意しておきましょう。

素材は幅広く使える鍛造ペグやスチール製のペグが適しています。キャンプ場によっては地面の中層から砂や小石が混ざって固い場合もあるためです。

強風下でキャンプを行う場合は、風で飛ばされないよう、タープやテントをしっかり固定する必要があります。大型のテントやタープを使う場合も、通常のものより風の影響を大きく受けるため同様です。

したがって、ペグの長さはできれば40cm、少なくとも30cm以上の長さが必要です。素材もしっかり刺さる鍛造ペグやスチール製ペグが適しています。山の天候は急に変わることも多いため、こうしたペグを何本か持っておくと安心です。

ペグは長さや素材によって多くの種類があり、得意・不得意な場面がそれぞれ異なります。種類ごとの特徴を理解し、行き先の地面や天候などの状況に応じて上手に使い分け、安全安心なキャンプを楽しみましょう。