【2023】クライミングロープおすすめ5選｜防水・ドライ加工も

クライミングロープは、岩や沢などを登る時に身体を支えてくれる、いわば命綱の役割を持つロープです。クライミングロープは種類も販売メーカーも豊富にありますが、初心者の方にとっては、丈夫でお手軽な商品がほしいですよね。

しかし、いざクライミングロープを購入しようと思っても、自分にとって使いやすいクライミングロープはどんなタイプがいいのか、どのようなポイントに注目して選べばいいのかイマイチ分からないという方は多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、クライミングロープの選び方や使い方、おすすめ商品を紹介します。クライミングロープの寿命などについても触れています。ぜひ最後までご覧いただき、自分のクライムスタイルに合わせたクライミングロープを見つけてください。

シングルロープは室内のクライミングジムや沢登りで使用される場合が多いです。1本で使用するロープ径は8.9〜11mmと太いため、耐久性に優れています。

クライミングジムの難易度の高いルートや直線的なルートでは、シングルロープがおすすめです。クライミングをする際は、ロープをなるべく真っ直ぐにして登ると登りやすくなります。さらに、万が一落下してしまった場合にも衝撃が少なくて済みます。

耐久性に優れているシングルロープは、沢登りなど滑りやすく落下しやすいクライミングにも最適です。落下し岩場に何度も擦ってしまうと強度が弱い場合、ロープが耐えきれなくなる可能性があります。その点、シングルロープはロープ径が太いため耐久力があり、安心してクライミングできます。

ダブルロープは本格的な登山や岩壁自体を登るアルパインクライミングに使用されます。2本のロープを使用し、ロープ径は8mm〜とシングルロープよりは細いです。ダブルロープはクライミングロープの中で最も使用されており、ハーフロープとも呼ばれています。

アルパインクライミングによく使用されるのがダブルロープです。登山道のない自然の地形を進んで行くスタイルです。整備されている場所だけではないため、耐久性があり衝撃を分散してくれるダブルロープが適しています。

2本のロープを別々のカラビナに固定するため、どちらかのロープが切れてしまった場合、もう片方のロープで支えられるため安全です。また、クライミングロープは切り売りもできるため、切れてしまった場合は必要な分の長さを購入できます。

ツインロープは主にアイスクライミングに使用されます。2本のロープを1本にまとめて使用します。ロープ径は7.4〜8mmと3種類の中でも1番細いタイプですが、軽量で扱いやすいのが特徴です。

ツインロープは2本ありますが、ダブルロープと違いカラビナに2本一緒に固定するため、シングルロープと同様の扱いになります。アイスクライミングに適している理由には、直線的なルートであることももちろんですが、ロープをピッケルやアイゼンで叩いてしまった場合でも対処できるよう2本になっています。

ほかの2種類のロープに比べると使用する場所が限られているため、日本ではあまり使用されていません。

クライミングロープの長さは30〜80mまで展開されています。室内のクライミングジムなどでは30〜40mが適切でしょう。実際の登山には60mがおすすめです。室内と登山の両方に行く場合は汎用性の高い50mのロープがいいでしょう。

クライミングをする際にロープの長さはとても重要で、ロープの長さが足りなかった場合事故の原因となる場合もあります。岩壁に登る前にしっかり現地の情報を調べ必要な長さ＋5mは持っていくようにしましょう。事前の対策で怪我防止に繋がります。

UIAA耐墜落回数を確認することで安全なクライミングロープを選べます。UIAA耐墜落回数はロープが重りの墜落に耐える回数のことで、ロープがどのくらいの耐久性や強度を持っているのかを表す数字です。

クライミングロープの種類によってロープの太さが異なるため、試験に使用する重りの重量も異なります。シングルやダブルでは5回以上、ツインでは12回以上の耐墜落回数が目安とされています。数値が高ければ高いほど安全なので、UIAA耐墜落回数を見て選びましょう。

クライミングには常に落下の危険性があるため衝撃荷重もしっかり確認しておきましょう。衝撃荷重は落下した際に体に受ける衝撃を数値化したものです。衝撃荷重の数値は小さいほど落下が止まるときに受ける衝撃が小さくなります。

クライミングジムの場合はマットが敷かれているため安全ですが、登山やアイスクライミングなど実際に登山をしている場合落下してしまうと命の危険が伴います。衝撃荷重が小さいものを選び衝撃を少しでも緩和させましょう。

クライミングロープには安全規格といって、安全性を示す基準が3つあります。1つ目はCE基準です。CE基準は、ヨーロッパにおける安全性や環境性をきちんと満たしているかという基準で定められ、CE基準の証明がない商品は販売できません。

2つ目は国際山岳連盟のUIAAです。UIAAは耐墜落回数や衝撃荷重のほかにもさまざまな規格を定めており、UIAAの規格に合格している商品は高品質で安全性が認められています。クライミングロープを選ぶ際の一つの基準となるでしょう。

3つ目はPSCマークです。PSCマークはNITEと呼ばれる行政法人の試験に合格し経産省に届出を出すと認証されます。国内ではPSCマークがついているクライミングロープしか販売ができないため、PSCマークのある商品は安全に使用できます。

クライミングロープは雨に濡れたり使い込んでいくと劣化していきます。長く安全に使い続けるためには表面が加工されているロープを選びましょう。表面加工には撥水加工・防水加工・コーティング加工の3種類があります。

防水・撥水加工は室内で使用する場合には必要ありませんが、岩場や沢登りなど水に濡れる可能性がある場所では必須の加工です。ロープは水を吸収すると重くなる性質があり強度も下がります。

その他にもロープ自体にコーティング加工がしてあり、手の感触でロープの位置を把握できるものもあります。使用場面に応じて適切な表面加工されているロープを選べば、安全にクライミングができます。

ロープの扱い方を知っておくのも大切です。ロープをしっかりと結べるかどうかで、クライミング中の安全確保にも繋がります。

また、ロープは上手く束ねられるとコンパクトになるため、片付ける際にリュックに収納しやすくなります。ここからは基本的なロープの結び方や束ね方を紹介していきます。

基本の結び方には8の字結び（エイト・ノット）・ダブルフィッシャーマンズノットという結び方があります。8の字結びはすべての結び方の基本となるため覚えておきましょう。ダブルフィッシャーマンズノットは、8の字結びの末端処理やロープの端同士を結ぶ際に役立ちます。

8の字結びはロープで輪っかを作り、輪っかの中に指を入れ2回ねじります。輪っかの間からもう片側のロープを通して、引っ張ると8の字結びになります。クライングハーネスにロープを取り付けるときに使用します。

ダブルフィッシャーマンズノットは、ロープの末端を持ち指に2周巻き付けます。巻き付けたところから指を抜き、そこへロープを通し引っ張ると完成です。ハーネスにロープを取り付けた後、長すぎるとロープが安定しないので必ず末端処理をするようにしましょう。

束ね方には2種類あり首掛け式と手掛け式があります。どちらも方法は簡単なので自分のやりやすい方法で束ねましょう。

首掛け式は、片方でロープの端を握り、もう片方の手でロープを首に掛けていきます。束ね終えたら首からロープを外し、ダブルフィッシャーマンズノットで末端処理をします。その後に固結びをすると外れにくくなります。

手掛け式は、ロープの端を持ち片方の腕にロープを掛けながら輪っかを作っていきます。作り終わったら首掛け式と同じように末端処理をします。しっかりと束ねることでリュックの中で広がらず、持ち運びやすくなります。

べアールはフランスで1950年に創業した登山・クライミング用品メーカーです。今では常識となっているロープの製造技術をいち早く導入し、クライミング用品の機能性の向上に貢献しています。

べアールのクライミングロープは「ユニコア製法」という製造方法を取り入れています。「ユニコア製法」はロープの表面と芯を接着し柔軟性を向上させることで、耐久性や安全性が高まります。そのため室内のクライミングからハードなアルパインクライミングまで幅広く対応できます。

マムートはスイスのアルパインクライミング用品を主に取り扱っているメーカーです。1862年創業で歴史のあるメーカーのため、幅広い世代から支持されています。

マムートは最新技術を駆使して作られた、軽量で高い機能性や耐久性を誇ったロープが魅力です。機能性以外にもデザインのこだわりもあり、初心者からプロまでおすすめのメーカーです。

エーデルリッドは1863年にドイツで創業した老舗のクライミング用品メーカーです。エーデルリッドは、現在のロープ構造の主流である2重構造「カーンマントル構造」を発明しました。

エーデルリッドのクライミングロープは、カーンマントル構造でより強度のあるロープになっています。また、最後に熱処理をすることで柔軟性を出し使いやすい工夫がされています。

クライミングロープは、はっきりとした寿命が分かりません。しかし、使用頻度や普段のお手入れをしていたことを前提とした場合、おおよその目安は分かります。使用頻度が少ない場合は2年程度、休日などに使用していた場合は1～2年程度、使用頻度が多い場合は3カ月～1年程度です。

あくまで目安なので、ロープの状態はこまめにチェックしましょう。ロープが伸びなくなったり、毛羽立ちや傷みが目立つようになったら迷わず買い替えてください。クライミングロープは命綱という意識を忘れないようにしましょう。

モンベルでは、ロープの切り売りのサービスをしています。アウトドアショップなどで販売しているロープは、あらかじめ長さが決まっているものが多いですが、モンベルは1m単位で購入できるので便利です。

アウトドアで使用するテントやタープ向けの張り縄や、水に浮くフローティングロープなどが量り売りで購入できます。どの程度の長さが必要なのかを調べておきましょう。

室内や岩場のクライミングでもクライミングロープは欠かすことのできない道具です。選び方を間違えると怪我をする可能性もあるため、利用場所や環境に合わせてロープを選びましょう。最適なクライミングロープを見つけてクライミングを安全に楽しみましょう。