カンブリアンランタン（マイナーズランタン ）とは？｜本物と偽物の違いは刻印？

天空の城ラピュタでパズーが持っているランタンとして「カンブリアンランタン」を知った方もいますよね。あまり聞きなれない為「そもそもどんなランタンなの？」と疑問に思う方も多いはず。カンブリアンランタンは別名「マイナーズランプ」とも呼ばれるオイルランタンの一種です。

明るく周囲を照らすランタンではなく、雰囲気を楽しむ目的で使用します。そのアンティークな見た目から今おしゃれキャンパーの間で人気が再燃しているんです。「本物？偽物？」と区別に悩む方もいますがハイランダー・銀の船などからレプリカ品も多く販売されています。

今回はそんなカンブリアンランタンの火付け役ともいえる「E.Thomas & Williams」「JD Burford（JDバーフォード）」の魅力・特徴を紹介します。その他にも性能比較や定価での価格、ハリケーンランタンとの違いも解説しているので参考にしてください。

カンブリアンランタンは19世紀にイギリスの炭鉱で活躍したランタンです。イギリスのカンブリア(現ウェールズ)が名前の由来となっています。また炭鉱夫は英語でマイナー(Miner)と呼ぶため「マイナーズランプ」の名称も。

当時はガス探知燈としての役割を担っていましたが炭鉱の閉鎖と共に製造されなくなり、現在本物はビンテージ品として価値が高騰しています。頑丈な作りによりキャンプにもピッタリ。また唯一無二の歴史と高級感溢れる見た目も魅力です。

• 金色に輝く真鍮製
• 赤味が目を引く真鍮×銅製
• 金と銀の組み合わせ真鍮×ステンレス製
• 上部をブラックペイントした真鍮製

E.Thomas & Williamsからは主に上記4種が販売されています。プレート部にブランド名・カンブリアンの文字・シリアルナンバーが刻印されているのが特徴です。バーナー部は当時の使用感そのまままに重厚感ある構造。

広めにデザインされた傘も特徴です。底には火力調整用の針金が出ています。箱には緊迫押しのラベルが施されており、インテリアとしても目を引きます。

• 燃料：パラフィンオイル・灯油
• 容量：150ml

E.Thomas & Williamsのカンブリアンランタンは灯油も使えますがスス汚れによる掃除が大変なためおすすめはできません。

【給油方法】

1. タンク部を反時計回りにまわして外す
2. バーナー固定リングも同様にして外す
3. バーナーを上に引き出す
4. 芯が入っている穴に燃料を注ぐ
5. 給油後は逆手順で元に戻す

E.Thomas & Williamsは重厚な作りでネジが厚いため、取外しの際には何回もまわす必要があります。燃料注入時は芯をすべて引き出す必要がないのがメリット。

1. ホヤ部を取り外す
2. 底にでている針金上部の針を芯に刺し長さを2ミリ程度に調整
3. ライターなどで芯に着火
4. 着火後に芯の長さを短くし火力を調整
5. ホヤ部を取り付ける
6. 消火時は芯を下まで下げる

E.Thomasのカンブリアンランタンには芯の長さ調節ができる針金があります。火力が強すぎるとスス汚れの原因になります。掃除の手間を増やしたくなければこまめに火力の確認を行うのがおすすめです。

長時間使用した場合には本体上部が熱くなるためヤケドに注意しましょう。革グローブなどを使用するのがおすすめです。

E.Thomasには貴重なミニランタンも存在します。通常サイズのカンブリアンランタンは高さ約25cmですが、ミニランタンは高さ15cmのコンパクトサイズです。ミニは現在製造されていないため、プレミア価格となっています。なかなか目にできない希少アイテムです。

• 真鍮製
• 真鍮×銅製
• 真鍮×ニッケル製
• 上部をブラックペイントした真鍮製
• オールニッケル製
• ニッケル×ホーロー製

JD Burfordは豊富なカラー展開が魅力です。E.Thomasと比較しても同素材のモデルはよく似ています。JD Burfordはシリアルナンバーの刻印はありますがブランド名は記載されていません。バーナー部は丸形でシンプル。

傘部は狭く大きめのリベットが特徴です。バックデザインでは合わせ目が目立つのがネック。底はE.Thomasのような針金もなくシンプルできれいです。

• パラフィンオイル
• 20ml

JD Burfordのカンブリアンランタンは容量の少なさが欠点。燃料はパラフィン限定となり本体にもしっかり刻印されています。

【給油手順】

1. E.Thomas同様、反時計回りにまわしてタンク部を外す
2. 芯の口金を回して外し芯をすべて引き出す
3. 燃料を注ぐ
4. 芯を戻し口金・タンク部を取り付ける

JD Burfordは取外しは簡単ですが、芯をすべて抜く必要があるのが難点。芯の置き場所や手が汚れがち。給油口が狭いため給油量が調節しにくいデメリットもあります。注ぐ際にはオプションの漏斗が付属しているので便利です。

JD BurfordにはE.Thomasと違い芯の調節レバーがありません。そのため手で長さを調節する必要があります。調整出来たらライターなどで点火し本体を取り付ければ完了です。火をつけた後の火力調節も1度消火する必要があるので芯は出しすぎないように心がけましょう。

JD Burfordはホヤにススがつくと5か所のナットを取り外さなければ拭けません。非常に手間がかかるため火力は小さめがおすすめです。消火はランプ後方の通気口から息を吹きかけます。

2社のカンブリアンランタンを比較した結果明るさに大きな違いがありました。JD Burfordが本体サイズも小さいといった理由もありますが、1番の理由は芯の大きさです。長時間明るい灯りを楽しみたい方にはE.Thomasのカンブリアランタンがおすすめです。

カンブリアンランタンには加圧式ランタンのような機械的故障はありません。必要なメンテナンスと言えばスス汚れ・芯の交換程度です。またパラフィンオイルを使用すればほぼススも付かない為、お手入れが簡単です。

ただし火力が強すぎるとススが発生してしまいます。特にJD Burfordのカンブリアンランタンはホヤ部の取り外しが面倒なので火力には気を付けましょう。

ハリケーンランタンの使い勝手や炎はカンブリアンランタンと共通する部分も多くあります。カンブリアンランタンに比べ軽量・コンパクトなモデルが多く扱いやすさが魅力です。ただし下方向が暗いのが難点。カンブリアンランタンは下方向もしっかり照らしてくれます。

LEDランタンは火を使用しない為、子どもがいるキャンプにも役立ちます。調光・調色機能など光を好みに変えられるのもメリット。その点カンブリアンランタンは手がかかりますが、熱を発するため簡易暖房器具としても使用できます。

現在販売されているカンブリアランタンは唯一の本物と言われるE.Thomas製さえレプリカです。レプリカと言っても偽物とは違い、不要なガス探知燈機能を省いただけで本物と変わりません。ただし中には意図的にE.Thomasのカンブリアランタンに似せた偽物もあるので刻印などはチェックしましょう。

カンブリアンランタンはビンテージ好きな方にもおすすめなデザイン性が高いオイルランタンです。年代物でも使える耐久性の高さも魅力。人とは違う魅力的なランタンをお探しならカンブリアンランタンはおすすめです。