焚き火台での焼き芋の作り方｜焼き時間は？アルミホイルだけで作る方法も解説！

キャンプの醍醐味といえば焚き火。せっかくなら焚き火料理にも挑戦したいですよね。キャンプ料理は初めて・手の込んだ料理は苦手という場合でも、手軽にできておすすめなのが焼き芋です。

焚き火で焼き芋なんて、ただ火の中に芋を入れるだけで簡単にできると思っていませんか？作り方の大事なポイントを押さえないと焦げてしまったり、ぱさぱさになってしまったりします。

この記事では焚き火台で焼き芋をおいしく作る方法について解説します。さつまいもの種類による味の違いやどれくらいの時間がかかるのかなど、詳しい手順をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。また、焼き芋作りにおすすめの焚き火台や、ドラム缶で作る方法も紹介します。

おいしさの秘密は加熱時間。さつまいもは加熱することで中の酵素が働き、でんぷんが分解されます。これが焼き芋の甘味のもとです。さつまいもの酵素が活発に働く温度は60～75℃。つまり、直火で時間をかけてじっくり焼くことで甘味が増すというわけです。

一方、家庭で手軽に焼き芋を作る方法といえば電子レンジです。しかし、電子レンジの場合は10分～15分の短時間で急激に加熱されてしまうため、甘味が十分に作られず、水分も抜けてしまいます。

まずは焚き火道具一式です。

• 焚き火台
• 炭または薪
• その他：着火剤、ナタ、火吹き棒など

そして調理に必要な道具を準備します。

• アルミホイル
• 新聞紙またはキッチンペーパー
• トング

何かあったときにかけられるよう、水も用意しておきましょう。

安納芋の特徴はねっとりとしたクリーミーな食感と濃厚な甘さです。他の品種と比べてショ糖が多く含まれ、生の状態での糖度は16度前後。加熱すると40度まで上がります。また多糖類を多く含み、これがねっとりとした食感のもとになっています。

鹿児島県種子島の安納地域で栽培されたのが始まりで、これまでの芋とは比べ物にならない甘さで島中の人々を驚かせたそうです。

シルクスイートはその名の通り、シルクのようになめらかな食感が特徴です。繊維質が比較的少なく水分が多いことで、独特な食感が生み出されています。生の状態での糖度は8度程度で、上品な甘さです。

実は2012年頃に出始めた新しい品種で、甘味のある「春こがね」となめらかな食感の「紅まさり」との交配で開発されました。新しい品種ながら、他にはない食感で話題となっています。

紅はるかは安納芋を越える甘味の強さが特徴です。加熱したときの糖度はなんと50～60度。でんぷんを糖に変える酵素の活性が、他の品種よりも高いことがその理由です。甘味が強いにもかかわらず、後口に上品さもあります。

また、紅はるかにはヤラピンというお通じの改善に効果が期待できる成分もたくさん含まれています。品種登録されたのは2010年で、こちらもシルクスートに次いで新しい品種です。

焼き芋といえば、ホクホクとした食感を思い浮かべることか多いのではないでしょうか。そんな食感を持つ代表的な品種の1つが紅あずまです。紅あずまは茨城県や千葉県などの関東で多く栽培され、全国的にも普及しています。

果肉が粉質で繊維質が少なく、加熱するとホクホクとした中にねっとりとした食感も同時に味わえます。加熱したときの糖度は30度前後で程いい甘さです。

ムラのない紅色の皮と、加熱で黄金色になる果肉の美しさが魅力的な鳴門金時は、ホクホク系を代表するもう1つの品種です。焼き芋にすると栗のような食感と上品な甘さで、ほっとする優しい味わいがあります。

鳴門金時は徳島県の鳴門海峡に近い砂地のある地域で栽培されており、海のミネラルを含んだ砂地で育つことでおいしくなります。

まずは下ごしらえとして、さつまいもが十分につかる量の塩水を用意して、1～2時間ほどつけておきます。塩水はなめてみて少ししょっぱいと感じる程度がいいでしょう。水分でねっとりとした口当たりが増すとともに、皮に塩分が染み込むことで、さつまいもの甘さも引き立ちます。

1～2時間もつけるのは手間に感じるかもしれません。しかし、焚き火台の組み立て・薪の準備・着火して火を育てる、などなど合間にすることはたくさんありますし、焼き芋の仕上がりが段違いなので、ぜひやってみましょう。

焼き芋に限らず、焚き火で調理をするなら熾火を作るのは必須です。熾火とは、炭や薪が芯まで真っ赤に燃え、炎が上がっていない状態を指します。この状態では火力が安定して煙も少なく、芋をじっくりと焼くのに最適です。

熾火の作り方はいたってシンプル。燃えている状態で放置しておくことです。炎が静まり、炭や薪が赤くなっていればできあがり。それまでは炭や薪をむやみに動かさないようにしましょう。薪よりも炭の方が早く簡単に熾火を作りやすいです。

新聞紙を水で十分に濡らし、さつまいもを1本ずつ包みます。これは焼いている間にさつまいもの水分が蒸発して、ぱさぱさになってしまうのを防ぐためです。さつまいも自体の水分が少ない場合はそれを補い、ねっとりとした食感を増す効果もあります。

また、新聞紙に含まれる水が水蒸気に変わるのに熱エネルギーを使うため、温度の上昇がゆっくりになります。このため、高すぎない温度でじっくり加熱されることで、焼き芋の甘味が増します。

芋をしっとりとさせることが目的なので、新聞紙がない場合でも、水分を吸収する紙類があれば代用できます。代表的なのはキッチンペーパーです。それもないようであれば、紙袋や紙ナプキンなどでもかまいません。

次に、新聞紙の上からアルミホイルできっちり包みます。火が新聞紙に直接当たって燃えるのを防ぐためです。また、ホイル焼きと同じように内側を蒸し焼きの状態にして、さつまいもの甘さを引き出します。そのため、水蒸気が逃げないよう、なるべく隙間のないように包みましょう。

なお注意点として、アルミホイルは高温で溶けることがあります。これを軽減するには、しわをつけるように包むことで高温に直接触れる部分を減らす、あるいは厚手のバーベキュー用ホイルを使うといいでしょう。

「アルミホイルを忘れた」「アルミホイルを切らしてしまった」などアルミホイルがない場合はどうすればいいのでしょうか。その場合は、アルミ缶があれば焼き芋が作れます。空になったアルミ缶の蓋を完全に切り離さないようにして缶切りで開けてください。

さつまいもを缶の中に入れ、蓋を締めて火の中に入れて準備は完了です。あとは1時間程度焼くと、アルミ缶がアルミホイル代わりとなっておいしい焼き芋が完成します。

焼き芋の甘味を増すには、でんぷんを分解する酵素が壊れないよう、低温で時間をかけて焼くことがポイントです。そのため遠火で焼く、つまり高温な中心部ではなく端の方でじっくり熱を加えるようにします。

たくさん焼く場合は、熾火からの距離が均等になるようにばらばらに並べましょう。同じ場所にくっつけて置いてしまうと、火の通りにムラができます。

15分ほどたったらトングを使ってさつまいもをひっくり返します。このとき、トングでアルミホイルを破かないように気を付けましょう。焼いているうちに火が小さくなっていくので、それに合わせてさつまいもの位置も調整します。

逆側も15分ほど焼いたら、串を通して焼け具合を確認します。串がスッと通れば完成です。通らないようであれば様子を見ながら追加で焼きましょう。焼き時間はさつまいもの大きさによって変わります。

新聞紙も代わりになるものもない！という場合、アルミホイルだけで焼き芋を作っても問題ありません。新聞紙を使うとき以上にじっくりと加熱することが重要になるので、火が消えた後の高温の灰の中に埋める方法がおすすめです。

アルミホイルだけで作る場合は、ホクホクした食感がより強くなります。ねっとり食感が苦手など、好みによってはあえてこちらの方法を選んでもいいでしょう。

ユニフレームは金物の街として名高い、新潟・燕三条のメーカーです。金属加工を熟知したメーカーによる焚き火台は、高品質で長く使えるのが魅力です。

ユニフレームの焚き火台、ファイアグリルではさまざまな方法で焼き芋を楽しめます。付属の焼き網で焼くのはもちろん、大きな火床に直接芋を入れる、あるいは約20kgの耐荷重量を活かしてダッチオーブンで作ることも可能です。

焚き火台の定番として多くのキャンパーに愛用され続けているのが、スノーピークの焚き火台です。厚みのあるステンレス板を使い、何年使っても焚き火の熱に負けない頑強さがその理由の1つ。

逆四角錐の火床と4本の脚でしっかりとした安定感があるため、焼いている途中の芋を動かすなどの作業をしていてもがたつかず、安心して焼き芋づくりを楽しめます。折り畳み式で設営・撤収が簡単なのも嬉しいポイントです。

アメリカのアウトドアメーカー、コールマンの焚き火台ファイアーディスクは、スタイリッシュなデザインで人気を集めています。畳まれた脚を起こすだけで設営できるシンプルさと、薄くて持ち運びしやすいところも魅力です。

付属の焼き網は上に乗せるだけで簡単に固定でき、炭の追加がしやすい隙間もあります。火床がボウル状で炭が中央に集まりやすいため、遠火でじっくり加熱する焼き芋がしやすいです。

大勢でにぎやかに焼き芋を楽しみたいときにおすすめなのが、ドラム缶で作る焼き芋です。ドラム缶の中に炭と芋を入れ、下から熱すれば焼き芋が作れます。ドラム缶はホームセンターやガソリンスタンド、あるいは通販サイトで入手できます。

切断や溶接といった加工ができるなら、本格的な窯を作ることも可能です。3つに輪切りして組み替える・横倒しにして上半分をくり抜くなど、いくつかの方法がありますので、動画などを参考に挑戦してみてください。

キャンプで石焼き芋を焼くなら、ダッチオーブンを使うのをおすすめします。ダッチオーブンを使って石焼き芋を作る方法を簡単に解説するので、ぜひ参考にしてください。

1. 石焼き芋用の石・ダッチオーブン・さつまいもを準備する
2. ダッチオーブンの底が見えなくなる程度に石を敷き詰める
3. 石の上に洗ったさつまいもをのせる
4. ダッチオーブンのふたを少し開けたまま、40分〜1時間焚き火にかける
5. 芋の表面にしわが出てきたら完成

焼き加減や味にこだわるなら、鉄橄欖石（てつかんらんせき）という石を使うのがおすすめです。鉄橄欖石は通常の石の2倍ほど熱を蓄えられるので、おいしい石焼き焼き芋を作れます。

焼き芋の保存方法は、常温保存・冷蔵保存・冷凍保存の3種類があります。1日以内で食べるなら、新聞紙に包んで保管する常温保存がおすすめです。常温での保存は痛みやすいので、冬以外は避けるべきでしょう。

3〜4日間程度保存するなら、冷蔵保存が適しています。水分をキッチンペッパーで拭いた焼き芋をてひとつずつラップで包み、冷蔵庫で保管しましょう。1ヶ月保存するなら冷凍保存してください。焼き芋をひとつずつラップに包み、さらに冷凍用ジッパーに入れて冷凍庫に入れましょう。

保存期間はあくまでも目安なので、できるだけ早く食べるのをおすすめします。

焚き火台で作る焼き芋は、じっくり時間をかけて加熱することでさつまいも本来の甘さが引き出され、家で作る焼き芋にはない魅力があります。この記事を参考に熱々で甘い、最高においしい焼き芋をぜひ作ってみてください。