テントの防水・撥水加工のやり方を解説｜おすすめ防水テント5選も

さまざまな設備や物がそろっている自宅とは違い、自然の中で生活するキャンプでは、急に雨が降ってきたり、飲み物をテントにこぼしてしまったりと、水に関連したアクシデントが起こってもすぐには対応できませんよね。

そういった急なトラブルの時に役に立つのが防水・撥水加工が施されたテント、そして防水スプレーです。近年は各社から数多く販売されていて、キャンプで起こるトラブルの心強い味方になってくれます。

耐水圧が高い生地を使っているテントなら、急に雨が降ってきた時でも雨漏りすることなく快適に過ごせるので安心です。この記事では防水・撥水加工の種類について詳しく解説します。後半ではおすすめの防水テント5選と防水スプレーも一緒にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

防水には防水加工・撥水加工の2種類があり、それぞれに特徴があります。一見すると同じような意味に感じるかもしれませんが、2つは大きく異なった意味を持ちます。

ここでは防水加工・撥水加工の特徴について詳しく解説します。

防水加工とは、水を通さないようにする加工のことです。テントの生地自体がポリエステル、ナイロンなどの水を通しづらい素材でできているものや、生地内部にポリエステル、ナイロンなどを染み込ませているものがあります。

水の漏れ・浸透を完全に防ぐので雨の日でも使えますし、誤ってテントに飲み物をこぼしてしまった場合でも焦る必要はありません。また、元から防水加工が施されているテントであれば、防水スプレーで防水処理を行う工程を省くことができます。

しかし、水と同様に空気・水蒸気も通さないので、空気がこもりやすく、蒸れやすいというデメリットもあります。通気性が悪くても水の漏れや浸透をなるべく防ぎたいという方には、あらかじめ防水加工されたテントがおすすめです。

テント生地の表面にシリコンコーティングを施し、水を弾くことを目的とした加工です。撥水加工があることで、水分が生地に付くとコロコロとした玉状になり、下に転がり落ちていくので、水がテント内部に浸透することはありません。

布地の表側をコーティングしても、布地の細部である縫目・編目の隙間は塞がれないので通気性に優れており、夏場でも快適に過ごせます。そのため、霧雨のような細かい水滴は防ぐことができずに生地を通り抜けてしまいます。

一方、防水加工は生地の隙間を埋めるようにコーティングが施されているので、防水性の高さでは防水加工の方に軍配が上がります。

フッ素系のテント用撥水剤は生地の繊維に塗布して吸着させ、撥水作用を付加するタイプです。シリコン系と比べてコスト高で持続しにくいものの、水以外に油も弾くほか、通気性の面で優れています。ポリコットン・コットン製のテントと相性良好です。

シリコン系のテント用撥水剤は生地表面にシリコン樹脂を塗布し、撥水作用のある膜を作るタイプです。フッ素系と比べて接触面積が大きく、持続性の点で優れているのが特徴。ただし素材の特性として油分は弾かないほか、生地を変色させるリスクを伴います。

スプレータイプは撥水剤を霧状に吹き付けて塗布するスタイルです。ほかのタイプと比べて大がかりな準備・作業が要らず、片手で操作できる手軽さがあります。同様の理由で、アウトドアの携行用・緊急用としても有用。靴・レインウェア・リュックサックなどにも使用可能です。

塗るタイプは生地に撥水剤を直接塗布するスタイルです。スプレータイプよりも手間がかかる一方、均一に撥水加工しやすいメリットがあります。テント設営後でも作業しやすいほか、商品にスポンジが同梱されている場合も多く、スプレータイプに次いで手軽に扱えるタイプです。

漬け込みタイプはたらい・バケツといった容器に撥水材を投入し、テントの生地を丸ごと漬けこむスタイルです。生地全体に塗布できるため、テントの内側部分まで防水処理できるメリットがあります。テント・タープ類を洗った直後に続けて作業できるため、非常に高い撥水効果を得られるのも高ポイントです。

防水・撥水スプレーを塗布する前に、まずは生地の表面に付いた汚れを落としましょう。汚れは防水・撥水剤が生地に届くのを阻害するだけでなく、スプレーの作用によって汚れそのものも落ちにくくなってしまいます。生地に直接塗布できる状態がスタート地点と考えましょう。

防水剤・撥水スプレーを塗布した後は、しばらく自然乾燥させましょう。防水剤・撥水剤が乾く前に水分に触れてしまうと、本来の撥水効果を得られません。商品によっては乾燥に必要な時間を表記しているため、あらかじめ確認するようにしましょう。

防水剤・撥水スプレーは、必ず屋外の風通しのいい屋外で使用しましょう。防水剤・撥水スプレーを吸い込むと、呼吸器系の健康被害を招く恐れがあります。スプレーを構える際には目安として、テントの生地から30cmほど離すのがポイント。また風上に立ち、マスクを着用するようにしましょう。

キャンプには水分が原因のアクシデントが付き物ですが、防水・撥水加工されたテントや防水スプレーなどで対策をしておけば、安心して楽しむことができます。この記事を参考にしながら万全な防水対策を行い、快適なキャンプを楽しみましょう！